2025年2月15日
2025 1月ニュースレター

~キミの役割も必ずある~

風のルージュ

各国の首脳が集まる 先進国首脳会議 「サミット」。

よくニュースで話題になりますね。

16年も前のことですが、北海道 洞爺湖(とうやこ)で開かれたサミットでは

栃木県 足利市のワインが、サミットの夕食時に提供される日本代表のワインとして選ばれました。

「こんなおいしいワイン、飲んだことがない!」

「とにかく素晴らしい!」 各国の代表がときめきました。

そのワインの名が「風のルージュ」。

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「風のルージュ」をつくったワイナリーは

栃木県足利市の山の中にあります。

名前は「ココ・ファーム・ワイナリー」。

この、日本を代表するワインを造っているのは、

個性あふれる元気な知的障がい者の方です。  

サミットが開催される前に、

選ばれるワインを目指し、

社長はこう呼びかけたそうです。

「みなですごいワインをつくろう!」

「フランスのワインに勝つぞ!」

「サミットのために 日本を代表するワインを目指そう!」

そうして 従業員のみなさんが一生懸命 働かれたそうです。

ワインの収穫時期を、7月7日のサミットに間に合わせるために、

土壌をかえるところから始めました。

それは それは 重労働であったといいます。

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ある ちょっとした事件がありました。

ワイナリーのチームリーダーが

社長のところに駆け寄ってきて こう話したそうです。

リーダー:

「社長、仕事しているときに、いつも 

棒でバケツをたたいて 遊んでいるやつがいるんですよ。

どうすればいいでしょうか!?」

社長:

「そうなんだねえ。」

リーダー:

「え? いつも 

棒でバケツをたたいて 遊んでいるんですよ! いいんですか!?」

社長:

「えっと。彼はね、風に吹かれる役割なんだよ。」

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この問答、ちょっと笑っちゃいますね。

そして 収穫の時期がおとずれました。

みんなでがんばってつくった広大なぶどう畑。

きっと おいしいワインがつくれるに違いありません。

そのワインならば 

洞爺湖サミットの 総理大臣、大統領などの首脳が喜んで飲んでくれる、

みながそう思っていました。

それだけ大変な思いで働いてきました!

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そして みなで畑を見に行きました。

絶句です。

なんと、みなでつくった あのぶどう畑が全滅していました。

みなが目指した 最高のワイン。

夢がまたたくまに崩れていきました。

なんと、カラスが食い荒らしてしまっていたのです。

みな 大泣きしたそうです。

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ところが。

リーダーがあるものを発見します。

奇跡です。

なんと!

カラスが手をつけなかった ぶどう畑のエリアがあったのです!

あの、「棒でバケツをたたいて 遊んでいた子のエリア」でした。

カラスは

棒でバケツをたたく子をずっと見ていたので

危険を察したのでしょうか、

その畑に近づかなかったそうです。

その「棒バケツエリア」のぶどうのおいしいこと。

そして そのエリアのぶどうが

「風のルージュ」といわれる 名ワインになり、

各国首脳が おいしい!すばらしい!と 賞賛されたのでした。

その後、

マスコミの取材が ワイナリーに押し寄せました。

マスコミの方:

「社長、サミットで採用された ワインの 風のルージュ、すごいですね! 

その 棒でバケツをたたいていた、例の方にインタビューさせてください!」

社長:

「彼はインタビューには答えられません。」

マスコミの方:

「え?」

社長:

「だから 彼はインタビューには答えないんですよ。」

マスコミの方:

「あの、どうしてですか!?」

社長:

「彼はね、今日も 風に吹かれているから。」

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人には 誰しも天から与えられた「役割」を持っています。

棒でバケツをたたいていた子は それをやっていたときは分からなかったかもしれません。 

しかし、たしかに大きな役割をもっていましたね。

今、君たちは行く手が見えず、将来に不安をおぼえているかもしれません。

「この勉強、いったい何のためにあるんだろう?」

「次のテストで結果が出るのかな、出したい、もっと自信を持ちたい!」

日々 いろんな気持ちや考えが浮かんでくることでしょう。

ただしこれははっきり言えます。

キミ自身が 

気づいていない「大きな役割」が 必ず 見える、そんなときがやってきます。

役に立たない人など この世にはいません。

自然に 一切無駄がないのであれば、

自然の中に いきる人間にも無駄な人などいません。

キミたちは 絶対に、「この世の中に役立つ人間」です。

そう信じて 来年も 勇気をもって勉強してほしいです。

よりよいお年を。                        塾長 

                                                 
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